METHODOLOGY
検証方法 — 医療版グリッド (2軸) と事実シグナル
クリニックAIラボ は、AI・DX ツールの検証において数値の総合スコアを使いません。現在の方式は 2 本立てです。 ① 確認できた事実を一次ソースへのリンクと取得日つきの「事実シグナル」として開示する。 ② カテゴリ内の位置づけを 2 軸の医療版グリッド(エビデンス成熟度 × 市場定着度、いずれも出典必須の順序尺度 0〜5) で示す。 本ページではその理由と判定基準を公開します。
なぜ総合スコアをやめたのか
当初は 6 軸を 0〜10 点で採点し加重平均する方式 (6 軸加重評価) を設計していました。 しかし運用を検討した結果、3 つの構造的問題を確認し、2026-06 に方式を改めました。
- 数字は「客観の演出」になりやすい — 検証実務が追いつかない点数は、どれほど誠実に運用しても 「それらしい数字」に近づいていきます
- 製品の更新に追従できない — 価格改定・機能追加のたびに全スコアの再計算が必要になり、 古いスコアの放置はかえって読者を誤導します
- 重み配分の恣意性 — 25% / 20% / 15% という配分自体に客観的根拠を与えることはできません
事実シグナル方式では、表示するものすべてが一次ソースで追試可能です。 読者は自院の優先順位で事実を重みづけできます。重みづけの主体は、 私たちではなくあなたです。
事実シグナルの判定基準 (5 つの確認観点)
製品ごとに以下の 5 観点を必ず調査し、一次ソースで検証可能な事実のみをシグナルとして表示します。 確認できなかった観点は「未確認」と正直に表示します。 このほかサポート品質や使い勝手も調査しますが、一次ソースで追試できないものは シグナルにせず、編集判断の言葉の中で扱います。
| シグナル | 表示するラベル | 一次ソース |
|---|---|---|
| 規制 | PMDA SaMD 承認 / 加算対象 / 医療機器非該当 / 海外のみ | PMDA・厚労省 公文書 URL |
| エビデンス | 査読論文の最高位デザイン (RCT / 前向き / 後ろ向き / ベンダー資料のみ) | PMID |
| 連携 | 公開 API・標準準拠 (HL7 FHIR 等) の有無 | 公式技術ドキュメント URL |
| 価格開示 | 公開価格あり / 問い合わせのみ | 公式料金ページ URL + 取得日 |
| 実績 | 公式発表ベースの導入事例 (件数・施設名) | 公式プレスリリース URL |
すべてのシグナルに 最終確認日 (lastChecked) を付記し、 再クロールで鮮度を管理します (継続性の担保)。確認できなかった項目は 「未確認」と明示し、空欄や推定で埋めることはしません。
医療版グリッド (2軸) の判定基準
カテゴリページと製品ページに表示する 2 軸マップは、検証可能な事実から段階判定できる順序尺度 (0〜5) です。 位置は総合スコアや満足度評価ではなく、すべてのレベル判定に出典 URL を付しています。 迷う場合は低い側に倒します (保守判定)。
X 軸: エビデンス成熟度
その製品そのものを対象とした研究のみを数えます (一般技術の研究は不可)。レベル 2 以上は出典必須、レベル 3 以上は PMID または DOI 必須。
| レベル | ラベル | 基準 |
|---|---|---|
| 0 | 未確認 | 編集部の調査が未了 |
| 1 | ベンダー資料のみ | ホワイトペーパー・自社調査のみ |
| 2 | 学会発表・症例報告 | 査読前の抄録・症例報告・プレプリント |
| 3 | 査読付き観察研究 | 後ろ向き・横断デザインの査読論文 |
| 4 | 査読付き前向き・実装研究 | 前向きコホート・実装研究の査読論文 |
| 5 | RCT・系統的レビュー | RCT または SR/メタ解析 |
Y 軸: 市場定着度
公式プレスリリース・IR・大手業界報道で確認できる導入公表の規模。レベル 2 以上は出典必須。
| レベル | ラベル | 基準 |
|---|---|---|
| 0 | 不明 | 導入状況の公表情報なし |
| 1 | 提供初期 | 提供は確認できるが導入先の公表なし |
| 2 | 導入公表あり | 導入先 (named customer) の公表 1 件以上 |
| 3 | 複数・大手導入 | 大手医療機関または複数施設の導入公表 |
| 4 | 大規模普及 | 100+ 施設・全国展開級の公表 |
| 5 | デファクト級 | 市場リーダー・数千施設規模 |
ドットの色は規制トーン (SaMD 承認 / 加算検討対象 / 業務ツール / 海外のみ等)、白抜きは日本未上陸を表します。象限名 (定番 / 根拠先行 / 普及先行 / 新興・観察) は位置の読み方の補助であり、推奨度ではありません。
編集判断 (どれを勧めるか) の書き方
「自院にどれを勧めるか」という判断は数字に転嫁せず、編集者の言葉 (選定根拠の一文) として署名つきで書きます。 事実はシグナルで、判断は言葉で。この分離が当ラボの検証方法の核です。
報酬と推奨の構造的非連動
事実シグナルの判定にも編集判断にも、アフィリエイト報酬は一切影響しません。 詳細は 編集ポリシー §6 を ご参照ください。
改訂と監査
- 事実シグナルは年次クロール + 制度改定時 (隔年) に再確認します
- 判定基準そのものを変更する場合は、変更日と理由を本ページに版管理として記録します
- 四半期ごとに、アフィリエイト報酬額と記事内推奨の相関を点検し公開します
旧方式 (6 軸加重スコア) で公開済みの記事について
2026-06 以前に公開した記事に含まれる加重スコアは、公開当時の評価として保持しています。 順次、事実シグナル形式へ更新します。
版管理
- 2026-06-12: 表記を「医療版グリッド (2軸) + 事実シグナル」に統一 (6 軸検証レンズの呼称を廃止)
- 2026-06-11: 医療版グリッド 2 軸 (エビデンス成熟度 × 市場定着度、出典必須の順序尺度) を導入
- 2026-06-10: 6 軸加重スコアを廃止し、事実シグナル方式へ移行
- 2026-05: 6 軸加重評価 (初版) を公開