その他

UpDoc
提供: UpDoc·慢性疾患管理 AI(インスリン用量調整・患者対面 LLM)
- 査読研究 1 件
- 公表導入 3 件
UpDoc, Inc. (米国カリフォルニア州パロアルト) が提供する、2 型糖尿病の成人向けインスリン管理 SaMD (医療機器プログラム) です。
患者さんは音声またはテキストで AI と対話しながら血糖などを記録し、医師があらかじめ設定した治療計画の範囲内で、AI がインスリン用量調整の指示を患者さんに届けます。患者対面型の LLM を組み込んだソフトウェア医療機器として初めて FDA 510(k) クリアランス (K253281) を取得したと公表された、帰院後 (受診と受診の間) フェーズの製品で、日本未上陸です。
- 料金 (公式)
- 問い合わせ
- 導入の広がり
- 3 / 5複数・大手導入
- セキュリティ
- 3 / 5認証と開示 · 日本未上陸
- エビデンス
- 4 / 5査読付き前向き・実装研究
- 編集部の最終確認
- 2026-10-07
製品の画面 (公式サイトより)
この製品でできること
6 項目- 患者アプリ: 音声/テキスト対話で血糖・食事・症状・服薬を記録Bluetooth 血糖測定器・CGM 取込対応
- 医療者ポータル: インスリン種類・開始/最大用量・調整アルゴリズム・血糖目標・安全プロトコルの患者別設定
- 医師設定パラメータ内でのインスリン用量調整指示の自動配信glargine/degludec/NPH/速効型/混合製剤に対応
- LLM 会話層と決定論的用量計算エンジンの分離設計FDA 決定サマリ記載
- 非緊急の低血糖・高血糖・関連症状に対応する安全プロトコル
- PCCP (事前変更管理計画) 承認済み — 市販後の段階的機能拡張が規制上許容される枠組み
製品概要
UpDoc は、2 型糖尿病の成人 (18 歳以上) のインスリン管理を支援する処方箋型の SaMD (医療機器プログラム) です。患者さんはスマホアプリで血糖・食事・症状・服薬状況を記録し (音声・テキスト対話、Bluetooth 血糖測定器や CGM からの取込にも対応)、医療者はウェブポータルでインスリンの種類・開始/最大用量・調整アルゴリズム・血糖目標・安全プロトコルを患者ごとに設定します。インスリンの用量指示はこの医療者設定パラメータに基づいてクラウド側で計算され、AI (UpDoc Agent) が患者さんとの対話を通じて指示を届け、経過を医療者に返します。1 型糖尿病には使えません。
FDA 510(k) クリアランス (K253281、2025-12-23 付、公表は 2026-06-25) の中身は冷静に見る価値があります。規制上の分類は「薬剤用量計算機」(product code NDC) で、predicate は先行のインスリン用量調整機器 d-Nav System です。つまり LLM は患者さんとの会話・データ収集の層を担い、用量計算そのものは決定論的なロジックが担う分離設計で、「医師が処方し、AI が実行する」というのが公式の整理です。PCCP (事前変更管理計画) も同時に承認されており、対応インスリンの追加や入力手段の拡張などを市販後に段階的に加えられる建て付けになっています。
臨床の原点は、のちに UpDoc を創業する Stanford の医師チームが行った無作為化比較試験です (JAMA Netw Open 2023)。音声会話 AI に基礎インスリンの用量調整を任せた群は、最適用量への到達が中央値 15 日と標準治療 (>56 日) より大幅に速く、服薬アドヒアランスも血糖コントロール達成率も良好でした。ただし n=32 の小規模試験で、対象は製品化前のプロトタイプです。FDA 審査自体には臨床試験は含まれていないため、市販版としての臨床成績はこれから蓄積される段階と見るのが公平だと思います。
会社は Stanford Medicine のプライマリケア医とホスピタリスト (臨床情報学専門医) が創業し、米国糖尿病協会・Eli Lilly・Mayo Clinic などから $18M のシード資金を調達しています。2026-06 時点で Cleveland Clinic・Allegheny Health Network・UCSF Health を含む大手 4 ヘルスシステムでの初期導入が公表されています (ベンダー公表)。日本のクリニックが今日使える製品ではありませんが、「患者対面型 LLM を医療機器としてどう規制の枠に収めるか」の世界初の実例として、日本の SaMD 制度の今後を考える上で注視に値します。
確かめられた事実
公式資料・公的資料など一次ソースで確かめられたことだけを載せています。
- 規制 ✓ 一次確認済み
- 海外承認のみ(FDA・日本未上陸)
- エビデンス ✓ 一次確認済み
- のちに UpDoc を創業する Stanford の医師チームによる無作為化比較試験 (JAMA Netw Open 2023、n=32) があります。音声会話 AI 群は最適インスリン用量への到達が中央値 15 日 (標準治療 >56 日)、服薬アドヒアランス 82.9% vs 50.2%、血糖コントロール達成 81.3% vs 25.0% と良好でした。ただしこれは製品化前の研究プロトタイプの評価で、FDA 510(k) 審査自体に臨床試験は含まれていません (決定サマリに Clinical Studies: Not applicable と明記)。市販版そのものの査読研究はまだ確認できません。
- 連携 ✓ 一次確認済み
- EHR 環境・臨床ワークフロー・エンタープライズ医療システムのコンプライアンス要件を前提に構築した、と公式は説明しています。構成は患者アプリ (音声/テキスト対話、Bluetooth 血糖測定器・CGM からのデータ取込) + 医療者ポータル (インスリン治療計画の設定・管理) + クラウド (会話サービスと臨床サービス) の 3 層です。ただし Epic など具体的な EHR ベンダーとの連携公表は確認できませんでした。
- 価格開示 ✓ 一次確認済み
- 公式サイトに公開価格表はありません。医療機関向けの問い合わせ式で、処方箋医療機器 (Rx only) として提供されます。
- 実績 ✓ 一次確認済み
- 2026-06-25 の公式プレスで、Cleveland Clinic・Allegheny Health Network・UCSF Health を含む全米大手 4 ヘルスシステムでの初期導入を発表しています (ベンダー公表)。同時に $18M のシード資金調達も公表し、出資者には米国糖尿病協会 (ADA)・Eli Lilly・Mayo Clinic・Section 32 などが並びます。日本未上陸です。
- セキュリティ ✓ 一次確認済み
- セキュリティはレベル 3 / 5 (認証と開示)。提供会社が SOC 2 Type II を取得と、公式資料・登録簿で確かめられています。なお、日本未上陸のため、日本の指針向けの書類が無いのは通常です。 根拠と出典を見る →
確認できた事実のみを一次ソースに基づき表示し、数値スコアは使いません (検証方法)。 最終確認 2026-10-07。
製品データ
- 提供企業
- UpDoc, Inc.
- 本社
- 米国カリフォルニア州パロアルト
- 日本での提供
- 日本未上陸です。PMDA の承認・認証は確認できません。米国では 2025-12-23 に 510(k) クリアランス (K253281、Class II) を取得済みで、対象は 18 歳以上の 2 型糖尿病、1 型糖尿病は使用不可の処方箋医療機器です。患者対面型 LLM を組み込んだ SaMD が規制審査を通過した先行例なので、日本のプログラム医療機器 (SaMD) 制度が同種の製品をどう扱うかを考える際のベンチマークとして見るのが現実的だと思います。
- 公表されている導入先
- Cleveland Clinic (米国)、Allegheny Health Network (米国)、UCSF Health (米国)出典を見る →
編集部の検証記事
この製品を扱う検証記事はまだありません。検証は一次資料 + 医師の確認で行い、公開され次第ここに並びます。
料金
公式に公開されている料金
問い合わせ
公式サイトに公開価格表はありません。ヘルスシステム・保険者向けのエンタープライズ契約で、営業への問い合わせ式です。処方箋医療機器 (Rx only) のため、患者さん個人が直接購入する形ではありません。
- 患者さんが直接購入する製品ではなく、処方箋医療機器 (Rx only) として医療機関経由で使われます。
見積もりでは、ここをそろえて聞くと比べやすくなります
- 医師数・端末数 (ライセンスの数え方)
- 初期費用・導入支援費の有無
- 月額・保守費に含まれる範囲 (サポート・改定対応)
- 電子カルテなどとの連携にかかる追加費用
- 契約期間と解約の条件
編集部のチェックリストです (どの製品にも同じ項目を出しています)。
カテゴリ内の位置
導入の広がり「複数・大手導入」(2026-06-25 の公式プレスリリースで Cleveland Clinic・Allegheny Health Network・UCSF Health という複数の大手ヘルスシステムでの初期導入が名指しで公表され、業界メディアの独立報道でも確認できます。ただしいずれも初期導入・パイロット段階の発表で、導入施設数などの規模の公表はないため level 3 と判定しています。)。 エビデンス成熟度「査読付き前向き・実装研究」(のちの創業者ら (Stanford) による査読付き無作為化比較試験 (JAMA Netw Open 2023、4 プライマリケアクリニック・n=32) があり、最適用量到達・アドヒアランス・血糖コントロールの改善が示されています。ただし試験対象は製品化前の音声会話 AI プロトタイプで、FDA 510(k) 審査には臨床試験が含まれず (決定サマリに Clinical Studies: Not applicable)、市販版 UpDoc V1.0 そのものを対象とした査読研究・SR は未確認のため、RCT の level 5 ではなく保守的に level 4 と判定しています。)。 下のマップは、カテゴリ内での位置を「セキュリティ」×「導入の広がり」で示します。横軸はボタンでエビデンスに切り替えられます。
- 出典: Nayak 他, JAMA Netw Open 2023 — 音声会話 AI による基礎インスリン用量管理の無作為化比較試験 (n=32)。最適用量到達 中央値 15 日 vs >56 日 ↗
- 出典: FDA 510(k) K253281 決定サマリ — Clinical Studies: Not applicable (審査は Human Factors とソフトウェア V&V ベース) ↗
- 出典: UpDoc 公式プレス (PR Newswire 2026-06-25) — Cleveland Clinic・AHN・UCSF Health を含む大手 4 ヘルスシステムでの初期導入と $18M シードを発表 ↗
- 出典: Digital Health Wire (2026-06) — 患者対面型 AI として初の FDA クリアランスと初期導入先を独立報道 ↗
この製品を対象とした研究・実証
Use of Voice-Based Conversational Artificial Intelligence for Basal Insulin Prescription Management Among Patients With Type 2 Diabetes: A Randomized Clinical Trial
無作為化比較試験 (Stanford の 4 プライマリケアクリニック、n=32、8 週間追跡)音声会話 AI に基礎インスリンの用量調整を任せた群は、最適用量への到達が中央値 15 日 (標準治療群は >56 日、P=.006)、服薬アドヒアランス 82.9% vs 50.2%、血糖コントロール達成 81.3% vs 25.0% でした。のちの UpDoc 創業チームによる製品化前プロトタイプの試験です。
PMID: 38039007 ↗
公表されている導入実績
セキュリティ
安全度の格付けではありません。UpDocの提供元が公開している資料で、患者さんの情報を守る仕組みをどこまで確かめられたかを、 国のガイドラインが IT の提供事業者に求めるものに沿って、編集部が組んだ 5 段階で示します。 「評価保留」や「確認できず」は、対策が無いという意味ではありません — 提供企業に直接聞くのが確実です (判定の基準)。 国のガイドラインは法律ではありません。段が低いことは、法令違反や、国の基準を満たしていないことを意味しません。医療情報を扱わない製品は、ガイドラインの対象にならないこともあります (国が定めた格付けではありません)。
日本未上陸
日本未上陸 — 日本の指針向けの書類 (開示書 MDS/SDS や、厚労省チェックリストの事業者確認用への回答) が無いのは通常です。下の段は日本の指針に沿った物差しで、海外での安全管理の水準を表すものではありません。
セキュリティレベル 3 / 5認証と開示
3/5- 1. 基礎の開示
- 2. 医療向けの開示公開資料で確認できなかったもの: 医療向けの開示 (MDS/SDS、ガイドライン名の明記、または保存場所と、データの扱いか事故時の窓口)
- 3. 認証と開示
- 4. 認証と医療向けの開示公開資料で確認できなかったもの: レベル 2 の条件 (医療向けの開示)
- 5. 確認書類までそろう公開資料で確認できなかったもの: レベル 4 の条件の一部・開示書 (MDS/SDS) か、厚労省チェックリストの事業者確認用への回答を公開・提出できるとの記載 (公開は義務ではありません。提出の可否は提供元にお尋ねください)・二要素認証を提供しているとの記載 (令和 9 年度以降の新規導入・入れ替えのときに医療機関に求められる)
段は、国のガイドラインが IT の提供事業者に求めるもののうち、公開資料で確かめやすいものに合わせています。2 (開示) と 3 (認証) は別の道で、両方そろうと 4 です。
運用まで第三者が確かめた保証: SOC 2 Type II (国のガイドラインは、提供事業者にここまでは求めていません。レベル 3 の認証として数えるほかは、段の上げ下げに使いません。提供元の表明を含みます)
- 医療情報の保存場所
- 公開資料では確認できず
- データの扱い
- 方針はあるが、学習利用には触れていない (出典 ↗)
- 事故時の連絡窓口
- 記載あり (出典 ↗)
- セキュリティ開示書 (MDS/SDS)
- 公開資料では確認できず
- 安全管理ガイドラインへの対応表明
- 公開資料では確認できず
- 第三者認証・保証
- SOC 2 Type II ↗提供元の表明・会社全体の取得
- 二要素認証
- 公開資料では確認できず
- 事業者確認用 15 項目 (厚労省チェックリスト)
- 公開資料では確認できず
- 確認日
- 2026-10-13
補足: 信頼センター (trust.updoc.ai、Vanta 製) の概要と管理策一覧、Clinical AI 概要・Clinical AI Charter・プライバシーポリシー・利用規約を確認。信頼センターの Compliance 欄は HIPAA と SOC 2 Type II のみで、Clinical AI 概要ページの HITRUST・ISO 27001 の表示には種別・範囲の記載がないため認証としては記録していない。データの保存場所の記載は見つからず。ナビの「Data Security & Privacy」はリンク先のない項目のまま。
提供企業の方へ: 記載に誤りや更新があれば partner@clinicailab.com へ出典 URL をお送りください。公開資料で確かめられた場合に限り、確認日とあわせて更新します (提携の有無で扱いは変わりません)。確認が済むまでは「提供元に確認中」と表示します。
導入前にベンダーへ確かめたい 5 つのこと
- セキュリティ開示書 (MDS/SDS) を出してもらえますか医療情報を扱う製品の安全対策を、業界共通の書式で一覧できる書類です。他社と同じ書式で並べて比べられます。
- 厚労省の安全管理ガイドライン (第7.0版) のどこまでに対応していますか院とベンダーのどちらが何に責任を持つか (責任分界) を、契約の前に書面で決めておくためです。
- ログインの二要素認証に対応していますか電子カルテなどは、更改の時期に合わせて二要素認証が求められていきます。 いつから必要かを整理した記事 →
- データはどこに保管され、バックアップはどう取っていますか国内保管か、バックアップから何時間で戻せるかは、ランサムウェア被害のときの診療再開を左右します。
- 障害やサイバー攻撃のとき、誰がいつ連絡をくれますか連絡窓口と初動の約束 (何時間以内に連絡するか) を、導入前に確かめておくと慌てずに済みます。
医療機関のセキュリティ全般は セキュリティのまとめへ。
本媒体は患者向けの広告ではなく、医療機関向けの業務支援ツールの比較情報です。レビューは、製品を導入・利用している医療機関の方の投稿です。投稿者は所属先のメールアドレス (無料・携帯のメールは不可) か保険医療機関の名簿などで確かめ、内容は機械と AI で確認して、疑いのあるものは編集部が読んでから載せています。導入・利用していることは、投稿者の申告と内容で判断しています。掲載するレビューと提供会社の公式返信は、投稿された文のまま載せます (編集部も提供会社も本文を書き換えません。規約に反するものは、書き換えずに非公開にします)。
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