TELEMEDICINE
オンライン診療
ビデオ診察・遠隔診療プラットフォームと周辺ツール。 全 5 製品 (国内提供 5) を掲載。 掲載順は評価順ではありません — 国内提供を先に、あとは名前順です。
Buying Guide
オンライン診療の選び方
再診のたびに高齢の患者さんが通院されるのが負担そう、生活習慣病や花粉症の定期通院をしているかかりつけ患者さんが、忙しさから足が遠のいて治療が途切れてしまう — オンライン診療プラットフォームは、ビデオ通話による非対面診療と、予約・問診・決済・処方箋送信までをひとつの流れにまとめることで、こうした「通院のハードル」を下げるためのカテゴリです。
ひと口にオンライン診療といっても、製品によって得意なフェーズは大きく異なります。再診・継続処方を画面で完結させる継続診療型、患者さんのバイタルを日々追うモニタリング型、受付・会計の窓口業務までまとめて軽くする業務効率型、そして夜間・休日の時間外を外部に任せる連携型まで幅があり、「有名だから」で選ぶと自院の診察スタイルや対象患者層に合わないという失敗が起きやすい領域です。
このガイドでは、院長・事務長が導入前に確認すべきポイントを、各製品の公開情報ベースで整理します。
CHECK 01
自院が狙うフェーズ — 継続診療か、窓口効率化か、時間外連携か
同じ「オンライン診療」でも製品の主眼は分かれます。受診後の再診・継続処方をオンライン化する継続診療型、患者さんのバイタル・症状を日々可視化する疾患管理・モニタリング型、予約・受付・会計まで窓口業務をまとめて軽くする業務効率型、そして自院の夜間・休日を外部に任せる時間外連携型まで幅があります。
まず「自院の何の負担を減らしたいのか」を言語化してください。再診の通院負担を下げたいのか、発熱外来の受付動線を整えたいのか、慢性疾患の在宅管理を始めたいのかで、見るべき候補が変わります。
CHECK 02
患者アプリの使いやすさと対象患者層
患者側がアプリのダウンロードを必要とするか、Web ブラウザだけで完結できるかは、高齢患者の多い院では特に効いてきます。curon のようにアプリ不要のブラウザ利用に対応する製品もあれば、専用アプリ前提の製品もあります。
自院のかかりつけ患者の年齢層・スマホ習熟度を踏まえ、デモで「患者さんが最初の予約までたどり着けるか」を実際の画面で確認してください。患者が使えなければ、どれだけ機能が揃っていても定着しません。
CHECK 03
予約〜問診〜決済〜服薬指導/配送までの連携範囲
ビデオ通話だけでなく、来院前 Web 問診・オンライン決済・処方箋送信・薬局でのオンライン服薬指導・医薬品配送まで、どこまでを一連で扱えるかは製品差が大きい部分です。curon は薬局向けの『クロンお薬サポート』と連携し服薬指導・配送まで、CLINICS は予約から会計までを患者アプリ melmo で一体化、と公式が説明しています。
自院が処方箋発行で完結するのか、服薬指導・配送まで患者導線を整えたいのかで、必要な連携範囲が変わります。
CHECK 04
電子カルテとの連携方式
オンライン診療の記録を電子カルテへどう取り込むかは、日々の手間に直結します。YaDoc は主要 12 社 14 ブランドの電子カルテと連携できると公式が説明し、デジスマ診療は同社のクラウド電子カルテ『エムスリーデジカル』との会計・受付・問診連携を案内しています。一方で、汎用的な外部カルテ連携の公式仕様が公開情報からは特定しにくい製品もあります。
自院のカルテ製品名を伝え、連携可否と方式 (同一 PC での運用か、API 連携か) をデモで確認してください。
CHECK 05
手数料体系 — 患者課金か院課金か、決済手数料の有無
費用の出方は製品で大きく異なります。月額固定費を院が負担するモデル (YaDoc は 19 床以下で月額 33,000 円・税込、デジスマ診療はスタンダードで月額 15,800 円・税抜) のほか、別途キャッシュレス決済手数料がかかる例 (デジスマ診療は決済額の 2.95%) もあります。
公開価格のない問い合わせ式の製品も多いため、月額・初期費用・決済手数料・最低契約期間まで含めた年額で並べて比較してください。
CHECK 06
夜間・休日や時間外をどう扱うか
自院のオンライン診療を増やす方向と、自院で対応しきれない時間外を外部に任せる方向は別の判断です。ファストドクターのように、オンライン診療と救急往診を組み合わせ、自治体・在宅医療機関の時間外をカバーする受け皿として位置づけられる製品もあります。
クリニック内に入れる業務ツールなのか、時間外・救急の連携先なのかを取り違えないことが、導入後のミスマッチを防ぐ鍵です。
再診・継続処方の通院負担を下げ、かかりつけ患者の離脱を防ぎたい
生活習慣病や花粉症などの定期通院をオンライン化したい場合は、予約・問診・ビデオ診察・決済・処方箋送信までを一連で扱える継続診療型が候補です。国内で登録医療機関数が最も多い部類の製品 (約 7,000 機関を公表) もあり、市場定着度では『大規模普及』段階に達していますが、製品単体の査読研究は確認できておらず普及先行型 (広く使われるが独立検証は途上) の典型です。アプリ不要のブラウザ利用に対応するかなど、自院の患者層に合うかを確認すると外しにくくなります。
慢性疾患の患者を受診後も継続して管理・モニタリングしたい
ビデオ通話だけでなく、患者さんが入力する日々のバイタル・症状の推移を医師側で可視化したい場合は、疾患管理・リモートモニタリング型が候補になります。このカテゴリでは珍しく、COPD 患者を対象に製品を名指しで評価した査読付きの前向き多施設研究 (52 週間の実行可能性・受容性コホート研究) を持つ製品があり、エビデンス面では『根拠先行』寄りに位置づけられます。料金も 19 床以下向けに公開価格があり見積もりやすい部類です。
例:YaDoc
発熱外来や受付の窓口業務まで含めて効率化したい
オンライン診療単体より、予約・自動受付・問診・キャッシュレス決済まで窓口フローをまとめて軽くしたい場合は、受付・会計フェーズに主眼を置いた業務効率型が向きます。初期費用 0 円・月額が公開され見積もりやすい製品もあります (ただし滞在時間短縮などの効果値はベンダー公表値である点に留意)。導入公表が実名インタビュー中心で、市場定着度は『導入公表あり』段階のため、自院と近い診療科の事例があるかを確認すると安心です。
自院の夜間・休日や時間外の受け皿を外部に確保したい
自院のオンライン診療を増やすのではなく、対応しきれない時間外を外部に任せたい場合は、オンライン診療と救急往診を組み合わせた連携型が選択肢です。累計利用件数を公表し、提携医療機関を実名で公開している製品があり、複数の named な医療機関連携が公表されている『導入公表あり〜普及先行』の段階です。自院の診療を置き換えるものではなく、時間外往診連携サービスなどの枠組みで自院の受け皿に組み込む使い方になります。
例:ファストドクター
※ 例示は状況に合う製品タイプの一例で、おすすめ順位ではありません。判定根拠は各製品ページで開示しています。
費用の目安
公開価格のある国内製品では、月額利用料が 15,800 円 (税抜・窓口効率型のスタンダードプラン) 〜 33,000 円 (税込・19 床以下のクリニック向けプラン) のレンジに収まります。前者は初期費用 0 円・別途キャッシュレス決済手数料 (決済額の 2.95%)、後者は初期費用無料・最低契約期間の定めなしと公式が案内しています。中〜大規模病院や複数診療科は、いずれも価格が変わり問い合わせ式になります。
一方で、市場シェア上位を含む相当数の製品は問い合わせ式で価格非公開です。初期費用・月額固定費なしの決済手数料モデルとして紹介される製品もありますが、これは公式の価格表として確認できたものではなく、正確な条件は問い合わせが前提になります。患者向けの保険診療ベース (往診併設型など) では、健康保険の診療費に交通費等が状況・保険区分で加わる形のため、固定の公開価格表を持たない製品もあります。
公開価格帯 (月 1.5〜3.3 万円) を相場の目安にしつつ、決済手数料・最低契約期間・複数医師/拠点の課金単位まで含めた年額で比較してください。
導入の進め方
- 1.自院が解決したい課題 (再診の通院負担・発熱外来の動線・慢性疾患の在宅管理・時間外の受け皿) を 1 つに絞り、対応するフェーズの候補を 2〜3 製品にしぼります。
- 2.自院の電子カルテ製品名を伝え、連携可否と方式 (同一 PC 運用か API 連携か) をベンダーに確認します。
- 3.デモまたはトライアルで、患者さんが予約〜問診〜ビデオ診察〜決済までたどり着けるか、想定する患者層の使いやすさを実画面で確認します。
- 4.月額・初期費用・決済手数料・最低契約期間・複数医師/拠点の課金単位を聞き取り、年額ベースで候補を並べて比較します。
- 5.オンライン診療の施設基準の届出 (情報通信機器を用いた診療) と、必要な掲示物・院内ルールを整えます (規制の注意は下記参照)。
- 6.看護師・事務スタッフを含めた運用フロー (予約枠の設計・録画/録音や本人確認の扱い・処方箋の送り方) を決め、1〜2 か月後に効果を振り返ります。
規制・診療報酬の注意点
オンライン診療 (条文上は「情報通信機器を用いた診療」) は、厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に沿って実施することが前提です。保険診療として行う場合は、初診料・再診料・外来診療料について情報通信機器を用いた診療に係る施設基準を地方厚生局へ届け出る必要があり、初診・再診の扱いや向精神薬処方の制限など、指針・施設基準上の遵守事項があります。
2026 年 6 月時点では、令和 8 年度改定 (令和 8 年 6 月 1 日施行) で、この施設基準に「チェックリストのウェブサイト掲示」「医療広告ガイドラインの遵守」「向精神薬処方時の電子処方箋による重複投薬等チェック」が追加され、あわせて電子処方箋とセットで算定できる『遠隔電子処方箋活用加算 (10 点)』が新設されました。具体的な算定要件・点数・経過措置は当サイトの令和 8 年度改定の解説記事 (オンライン診療まわりの変更点) で一次資料の条文に沿って整理しています。
このカテゴリの製品は診断・治療そのものを担う医療機器ではなく、診療を支える「業務ツール」区分が中心です。導入製品が施設基準や指針への対応をうたっていても、届出・掲示・記録の最終的な責任は医療機関側にあります。具体的な点数・要件は、製品の公式説明ではなく一次資料 (厚労省の改定告示・通知) で必ず確認してください。
よくある質問
- Q. オンライン診療を保険診療で始めるのに、届出は必要ですか?
- 保険診療として情報通信機器を用いた診療を行う場合は、初診料・再診料・外来診療料についての施設基準を地方厚生局へ届け出る必要があります。あわせて「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に沿った診療体制と、ウェブサイトでの所定の掲示が求められます。2026 年 6 月時点では令和 8 年度改定で掲示要件などが追加されているため、最新の要件は厚労省の一次資料でご確認ください。製品の導入だけで届出が済むわけではなく、届出・掲示・記録の責任は医療機関側にあります。
- Q. オンライン診療ツールを入れると診療報酬の加算は取れますか?
- ツールそのものに加算がつくわけではありません。2026 年 6 月時点では、令和 8 年度改定で情報通信機器を用いた医学管理を算定する患者に電子処方箋を発行した場合の『遠隔電子処方箋活用加算 (10 点)』が新設されています。算定には電子処方箋を発行できる体制や所定の要件が前提になります。具体的な点数・対象・要件は当サイトの令和 8 年度改定の解説記事で一次資料に沿って整理しているので、そちらをご参照ください。
- Q. 患者がアプリを入れなくても使える製品はありますか?
- 製品によって異なります。たとえば curon はアプリ不要の Web ブラウザ利用にも対応していると公式が説明しています。高齢患者の多い院では、アプリのダウンロードでつまずくと定着しにくいため、患者側がブラウザだけで予約・診察までたどり着けるかを、デモで実際に確認することをおすすめします。
- Q. 費用はどのくらいかかりますか?非公開の製品が多いと聞きました。
- 公開価格のある国内製品では、月額 15,800 円 (税抜) 〜 33,000 円 (税込) のレンジが目安で、別途キャッシュレス決済手数料 (決済額の 2.95% という例) がかかる製品もあります。一方、市場シェア上位を含む相当数の製品は問い合わせ式で価格が非公開です。非公開=高額とは限らないため、決済手数料・最低契約期間・複数医師/拠点の課金単位まで含めた年額で見積もりを取り、横並びで比較してください。
- Q. 夜間・休日の対応も任せられる製品はありますか?
- 自院のオンライン診療を増やす製品とは別に、オンライン診療と救急往診を組み合わせ、自院の時間外を外部の受け皿として連携できるサービスもあります (ファストドクターなど、時間外往診連携サービスや 24 時間医療サポートとして案内されています)。自院の診療を置き換えるものではなく、夜間・休日や緊急時の連携先として位置づけるのが実態に近い使い方です。
最終確認日: 2026-06-13。本ガイドは公開情報と編集部の調査に基づき、掲載料は受け取っていません。
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掲載は調査時点の公開情報に基づく実データのみ。評価は数値スコアではなく事実シグナルとして各製品ページで開示します。掲載料は受け取っていません。
