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検査・採血支援
採血支援・検体検査・ゲノム/遺伝子解析の支援ツール。 全 11 製品 (国内提供 6) を掲載。 掲載順は評価順ではありません — 国内提供を先に、あとは名前順です。
Buying Guide
検査・採血支援の選び方
「血管が細い患者さんで採血に手間取る」「がんゲノム検査の話が出たが、自院で何ができて、どこから先は拠点病院に紹介する話なのかが整理できていない」— 検査・採血まわりの悩みは、性質のまったく違うものが一括りで語られがちです。
このカテゴリには、大きく分けて 3 つの異なる群が混在しています。1 つ目は採血・穿刺の現場を物理的に助ける静脈可視化デバイス、2 つ目は採血そのものを自動化・分散化する海外の新しい機器・サービス、3 つ目は固形がんの治療選択に使うがんゲノムプロファイリング (CGP) 検査です。この 3 つは、価格の出方も、規制上の扱いも、そもそもクリニックが「導入するもの」なのか「紹介の窓口になるもの」なのかも、まったく異なります。
このガイドでは、まず自院の悩みがどの群に当たるかを切り分けたうえで、群ごとに公開情報ベースで確認すべき点を整理します。とくに CGP 検査は、クリニック単独では完結しない仕組みである点を最初に押さえておくと、検討がぶれません。
CHECK 01
まず「どの群の話か」を切り分ける
このカテゴリは、(A) 静脈可視化デバイス (採血・穿刺の補助)、(B) 採血の自動化・分散化を狙う海外機器・サービス、(C) がんゲノムプロファイリング (CGP) 検査、の 3 群が混在します。検討の出発点はここの切り分けです。
A は院内に置いて日々の採血で使うハードウェア、C はクリニック単独では実施できず拠点病院へ紹介する検査です。B は現状ほぼ海外限定で、日本のクリニックが今すぐ導入できる選択肢ではありません。同じ「検査・採血支援」でも検討の仕方が別物になるため、自院の悩みがどこに当たるかを先に決めてください。
CHECK 02
静脈可視化デバイス — 「ルーチンで成功率が上がる」とは限らない
静脈可視化デバイスは RCT が複数ある製品もありますが、結果は一貫していません。AccuVein は小児救急で初回成功率の改善が報告された一方、新生児・成人鎌状赤血球症では有意差が出なかった試験があります。VeinViewer 系 (ベインビュア) では、困難例では有利な場面があるものの、ルーチン使用では成功率を改善せず、熟練看護師でかえって初回成功率が下がり試験中止になった報告まであります。
つまり「困難症例での補助」として位置づけるのが誠実な見方です。自院の患者層 (高齢・透析・小児など) と、誰が使うか (熟練者か否か) を踏まえ、デモで実際の血管に当てて見え方を確かめてください。
CHECK 03
静脈可視化デバイス — 供給・保守の継続性
可視化デバイスは販売終了・世代交代が起きる領域です。StatVein は公式サイト上で生産終了品扱いとなっており、保守サービスは 2026 年 5 月 31 日まで・消耗品のみ販売継続と案内されています。AccuVein は現行 AV500 に加え上位 AV600 やハンズフリー用スタンドが案内されるなど、世代が動いています。
本体を長く使う機器ですので、導入前に保守期間・後継機の有無・消耗品供給を販売店に確認してください。生産終了品を中古で入れる場合は、保守が切れる時期に特に注意が必要です。
CHECK 04
がんゲノム検査 — クリニック単独では完結しない
保険収載された CGP 検査 (FoundationOne CDx・GenMineTOP・NCC オンコパネル) は、がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院・連携病院といった体制の整った医療機関で実施され、結果はエキスパートパネルで解釈されます。検査受託も外部ラボ (SRL・LSI メディエンス等) が担い、結果は国の C-CAT へ集約されます。
したがってクリニックにとっての論点は「どの検査を院内で回すか」ではなく「どの拠点病院に、どのタイミングで紹介するか」「保険適用の CGP 検査にどんな選択肢があるか」を理解しておくことです。導入する機器ではなく、紹介・連携のための知識として押さえてください。
CHECK 05
がんゲノム検査 — DNA のみか DNA+RNA か / 対象遺伝子数
保険収載 CGP パネルは、調べる範囲が製品ごとに異なります。FoundationOne CDx は 324 遺伝子の DNA を中心に解析、NCC オンコパネルは腫瘍組織と全血のマッチドペアで 124 遺伝子 (承認時 114)、GenMineTOP は 737 遺伝子の DNA に加えて RNA (融合・エクソンスキッピング・発現量) まで同時に診ます。
骨軟部肉腫を対象とした C-CAT データの比較では、DNA+RNA の GenMineTOP が治療標的となるチロシンキナーゼ融合の検出率で DNA のみのパネルより高い傾向が報告されています (ただし対象集団が異なり感度・特異度は算出不可、と著者が注記)。融合遺伝子が問題になりやすいがん種かどうかは、紹介先・検査選択を理解する手がかりになります。
CHECK 06
海外の到達点と日本での使える/使えないを区別する
採血の自動化・分散化や海外の CGP には、注目度の高い製品があります。採血ロボット Aletta (CE のみ)、指先採血 BD MiniDraw (FDA 510(k))、卓上分析装置 TruVerus (FDA 510(k))、解析 SaaS の SOPHiA DDM (CE-IVD)、ゲノム検査 Tempus (FDA 承認) などです。
いずれも 2026 年 6 月時点で日本未上陸で、今すぐ国内のクリニックが導入できる選択肢ではありません。海外で何が起きているかを知るベンチマークとしては有用ですが、自院の導入検討の対象と混同しないよう、規制区分 (CE / FDA / 日本未承認) を必ず確認してください。
採血が難しい患者さんが多く、穿刺の補助がほしい
静脈可視化デバイスが候補です。AccuVein は製品そのものを評価した RCT が複数ある「根拠先行」型ですが、結果は対象集団で分かれます。テルモのベインビュアも VeinViewer 系として RCT が複数あるものの、ルーチンでの成功率改善は支持されておらず、国内の導入実績公表は乏しい「新興・観察」寄りです。いずれも「困難例での補助」として、自院の患者層でデモ確認のうえ判断するのが安全です。なお StatVein は生産終了品のため新規導入の主力には向きません。
保険収載のがんゲノム検査を、紹介の前提知識として整理したい
国内で保険収載されている CGP 検査を押さえておく場面です。FoundationOne CDx (中外製薬) は 2018 年に国内初承認・以後コンパニオン診断適応も拡大した「定番」級、NCC オンコパネル (シスメックス) は 2019 年に国内初の CGP 検査として保険適用された国産システム、GenMineTOP (コニカミノルタ) は DNA+RNA 同時解析の国産パネルで全国の C-CAT 研究でも実臨床運用が確認されています。いずれもクリニック単独では実施せず、拠点病院への紹介・連携の文脈で理解しておくのが実用的です。
採血人員不足や院内完結に関心があり、海外の動きを知っておきたい
採血の自動化・分散化は海外が先行する領域で、いずれも日本未上陸です。Aletta は静脈同定から止血までを自律実行する採血ロボットで欧州 CE のみ (多施設試験で first-stick 94.5% を報告)、BD MiniDraw は指先少量採血をフレボトミスト不在の現場で行う米国 FDA 510(k) 製品、TruVerus は化学・免疫・血球計算を 1 台に統合した卓上分析装置で 2025 年末に初回 FDA クリアランスを得た新興製品です。今すぐ導入はできませんが、人員不足への将来の打ち手として動向を見ておく価値があります。
海外の CGP・解析基盤の到達点をベンチマークしたい
がんゲノム領域の海外製品も、国内検査を評価する物差しとして見ておけます。Tempus (米国) は腫瘍-正常マッチド DNA に全トランスクリプトーム RNA を組み合わせる検査サービスで、xT CDx が FDA 承認・全米のアカデミック医療センターと広く接続する「普及先行」型。SOPHiA DDM (スイス) は NGS 生データの解析・レポート作成を支援するクラウド SaaS で、多施設バリデーション研究と多国普及があります。いずれも日本未上陸のため導入対象ではなく、国産パネルの位置づけを理解するための参照に留めてください。
※ 例示は状況に合う製品タイプの一例で、おすすめ順位ではありません。判定根拠は各製品ページで開示しています。
費用の目安
このカテゴリは群ごとに価格の出方がまったく異なり、しかも公開情報の多くが「非公開・問い合わせ式」です。
静脈可視化デバイスでは、テルモのベインビュアが 2018 年の発売ニュースリリースで希望小売価格を公表しており、ハンディ型のフレックスが税別 160 万円、スタンド型のビジョン 2 が税別 260 万円です (発売時点の価格で、現在の実勢は販売店確認)。AccuVein は公開価格表がなく国内は販売店への問い合わせ、StatVein は生産終了品で現行の公開価格はありません (中古市場で本体 100 万円弱との情報はあるものの公式の確定価格ではありません)。
がんゲノムプロファイリング検査 (FoundationOne CDx・GenMineTOP・NCC オンコパネル) は、いずれも保険診療として実施され、製品単独の公開価格表という形ではありません。患者さんの負担は保険診療の自己負担割合に従います。
海外製品 (Aletta・SOPHiA DDM・TruVerus・Tempus) は公式サイトに公開価格表がなく医療機関・ラボ向けの問い合わせ式です。BD MiniDraw は装置単体の価格ではなく、消費者向け検査サービス BetterWay の検査料 (ルーティン検査 15 ドルから、検査パッケージ 98〜216 ドル) が公開されています。総じて、このカテゴリで相場を一律に示すことはできず、群と製品ごとに見積もり・保険区分を個別に確認する必要があります。
導入の進め方
- 1.自院の悩みが (A) 静脈可視化、(B) 採血の自動化・分散化、(C) がんゲノム検査のどれに当たるかを最初に切り分けます。
- 2.静脈可視化デバイスを検討するなら、対象となる患者層 (高齢・透析・小児など) と使う人を想定し、複数製品のデモを自院の実際の血管で試して見え方と運用への馴染みを確認します。
- 3.導入前に、保守期間・後継機の有無・消耗品供給・(海外製なら) 国内での承認・販売の有無を販売店やメーカーに確認します。
- 4.がんゲノム検査については、連携している (または紹介可能な) がんゲノム医療拠点病院を確認し、どの保険収載 CGP 検査が選べるか・紹介のタイミングを把握しておきます。
- 5.海外の自動採血・分散検査・海外 CGP に関心がある場合は、規制区分 (CE / FDA / 日本未承認) を確認し、今すぐの導入対象ではなく将来動向のベンチマークとして整理します。
規制・診療報酬の注意点
このカテゴリは規制上の扱いが群ごとに大きく異なります (いずれも 2026 年 6 月時点の一般的な整理で、個別の算定要件・点数は各製品の公式情報・最新の通知でご確認ください)。
静脈可視化デバイスは、AI で診断・治療判断を行うものではなく、穿刺を物理的に補助するハードウェアです。国内流通品は届出・承認を経た医療機器として扱われますが、製品により位置づけが異なるため、業務ツールか医療機器かを含め販売元に確認してください。
がんゲノムプロファイリング検査は保険収載されていますが、実施には施設要件があります。がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院・連携病院の体制下で行われ、検査結果はエキスパートパネルで解釈されるため、クリニック単独では完結しません。具体的な算定要件・点数・対象患者の条件は保険診療のルールに従うため、紹介先の拠点病院や最新の保険・制度情報で確認してください。
海外製品 (Aletta・BD MiniDraw・TruVerus・SOPHiA DDM・Tempus) は CE マークや FDA クリアランス/承認に基づく海外向け製品で、日本での薬機法上の承認・販売を示す情報は確認できていません。国内導入の検討対象としては扱えない点に注意してください。
よくある質問
- Q. 静脈可視化デバイスを入れれば採血の失敗は減りますか?
- 「必ず減る」とは言えません。製品そのものを評価した RCT は複数ありますが、結果は対象集団でばらつきます。AccuVein は小児救急で初回成功率の改善が報告された一方、新生児・成人鎌状赤血球症では有意差が出なかった試験があります。VeinViewer 系では困難例で有利な場面があるものの、ルーチン使用では成功率を改善せず、熟練看護師でかえって低下したとの報告もあります。困難症例での補助と位置づけ、自院でデモ確認のうえ判断するのが現実的です。
- Q. がんゲノム検査は自院のクリニックで実施できますか?
- 保険収載されている CGP 検査 (FoundationOne CDx・GenMineTOP・NCC オンコパネル) は、がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院・連携病院といった体制の整った医療機関で実施するもので、クリニック単独では完結しません。検査受託も外部ラボが担い、結果はエキスパートパネルで解釈されます。クリニックの立場では、どの拠点病院にいつ紹介するかを把握しておくのが実用的です。
- Q. 保険収載されている CGP 検査の違いは何ですか?
- 調べる範囲が異なります。FoundationOne CDx は 324 遺伝子の DNA を中心に解析しコンパニオン診断も兼ね、NCC オンコパネルは腫瘍組織と全血のマッチドペアで 124 遺伝子 (承認時 114) を解析する国産システム、GenMineTOP は 737 遺伝子の DNA に加えて RNA (融合・エクソンスキッピング・発現量) まで同時に診る国産パネルです。融合遺伝子が問題になりやすいがん種では DNA+RNA 型が有利な傾向も報告されていますが、最終的な検査選択は紹介先のエキスパートパネルの判断になります。
- Q. 話題の採血ロボットや指先採血は日本のクリニックで使えますか?
- 2026 年 6 月時点では使えません。採血ロボット Aletta は欧州 CE のみ、指先採血の BD MiniDraw と卓上分析装置 TruVerus は米国 FDA クリアランスのみで、いずれも日本未上陸です。日本での承認・販売を示す情報は確認できていません。採血人員不足への将来の打ち手として動向を見ておく価値はありますが、今すぐの導入対象ではありません。
- Q. 海外の Tempus や SOPHiA DDM は導入を検討すべきですか?
- 現時点では導入対象にはなりません。Tempus (米国) は FDA 承認の xT CDx を持ち全米で広く使われていますが日本未上陸、SOPHiA DDM (スイス) は多施設バリデーションと多国普及のあるクラウド解析 SaaS ですがこちらも日本未上陸です (いずれも 2026 年 6 月時点)。国産の保険収載パネルを評価する際のベンチマークとして製品情報を見ておく、という使い方が現実的です。
最終確認日: 2026-06-13。本ガイドは公開情報と編集部の調査に基づき、掲載料は受け取っていません。
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