AMBIENT SCRIBE

AI 音声入力・カルテ作成

診察会話の自動記録・要約・医療文書の下書き生成。19 製品 (国内提供 6) を掲載。 掲載順は評価順ではありません — 国内提供を先に、あとは名前順です。

Buying Guide

AI 音声入力・カルテ作成の選び方

診察のたびにカルテ入力で手が止まる、診療後に残ったカルテを書くため残業になる — AI 音声入力・カルテ作成ツール (アンビエントスクライブ) は、診察中の会話を自動で文字起こしし、SOAP 形式の下書きまで生成することで、この「書く時間」を圧縮するカテゴリです。

国内だけでも提供形態・価格・電子カルテとの連携方式が製品ごとに大きく異なり、「有名だから」で選ぶと自院のカルテに貼り付けられない・診察スタイルに合わないという失敗が起きやすい領域です。このガイドでは、導入前に確認すべきポイントを公開情報ベースで整理します。

導入前に確認する 5 つのポイント
  1. CHECK 01

    電子カルテとの連携方式

    国内製品の連携は「コピー&ペースト」「QR コード連携」「専用デバイス経由の貼り付け」が中心で、特定カルテへのネイティブ統合は少数派です。CLIUS のようにカルテ本体に AI 機能が内蔵されるタイプもあります。

    自院がオンプレ型かクラウド型か、貼り付け操作が診察の流れに収まるかを、デモで実際の画面遷移まで確認してください。

  2. CHECK 02

    自科の診察スタイルでの認識精度

    ベンダー公表の精度・時短効果は、多くが自社調査やユーザーアンケートに基づく値です。診療科の専門用語・薬剤名・高齢患者の聞き取りにくい発話など、認識難易度は科と患者層で大きく変わります。

    ほとんどの製品に無料トライアルやデモがあるため、必ず自分の外来 (騒音環境含む) で数日間試し、修正にかかる手間まで実測することをおすすめします。

  3. CHECK 03

    料金体系と利用時間の上限

    定額使い放題の製品と、月あたりの利用時間に上限があり超過課金される製品があります。公開価格だけ見ると安く見えても、初期費用 (5 万円前後の例が複数)・最低利用期間 (半年などの例あり)・複数医師での利用条件で総額は変わります。

    常勤医の人数と 1 日の診察コマ数から月間利用時間を見積もったうえで比較してください。

  4. CHECK 04

    録音データの取り扱いとセキュリティ

    診察会話は要配慮個人情報を含みます。録音データの保存場所 (国内/国外)・保存期間・AI の学習への利用有無・通信の暗号化を、契約前に書面で確認してください。

    医療情報システムの安全管理ガイドライン (いわゆる 3 省 2 ガイドライン) への対応状況を明示できるベンダーかどうかは、判断材料として有効です。

  5. CHECK 05

    第三者検証の有無 — 公表値の根拠を見る

    このカテゴリの国内製品は、現時点でエビデンス成熟度が「ベンダー資料のみ」の段階に集中しています。一方、米国では Abridge や DAX Copilot のように査読付きの実装研究・RCT まで進んだ製品があり、カテゴリとしての効果検証は海外が先行しています。

    国内製品を選ぶ際は「査読研究がないこと」自体は減点要素ではなく、その分トライアルでの自院実測を代わりの検証として重視する、という姿勢が現実的です。

うちの場合はどれ? — 状況別の考え方
  • まず低コストで小さく試したい

    公開価格のある定額制プランから始めると見積もり比較の手間が小さく済みます。月額 3 万円前後の使い放題や、利用時間上限つきの月額 1 万円台プランが公開されています。いずれも新興・観察〜導入公表ありの段階なので、最低利用期間の短い契約で実測してから広げるのが安全です。

    例:MeDiSMa AI ClerkkanaVo

  • 導入実績の厚さを重視したい

    全国 1,000 施設超の利用や大学病院への導入が公式発表されている製品、累計 15,000 ライセンス超の音声入力老舗など、市場定着度が「大規模普及」段階の製品が国内にもあります。普及先行型 (広く使われるが独立検証は途上) の典型で、導入事例の診療科が自院と近いかを確認すると外しにくくなります。

    例:medimoAmiVoice iNote

  • 電子カルテと一体で完結させたい

    貼り付け操作自体をなくしたい場合は、電子カルテ本体に AI 音声入力・SOAP 生成が内蔵されるタイプが候補になります。カルテごと乗り換える判断になるためハードルは上がりますが、新規開業や乗り換え検討のタイミングなら有力な選択肢です。

    例:CLIUS AI(音声入力・SOAP 自動生成)

  • 海外の到達点を知っておきたい

    米国では Epic ネイティブ統合 + 査読付き実装研究・RCT を持つ製品が大規模医療システムに展開済みで、「定番」象限に到達しています。いずれも日本未上陸のため今すぐ導入はできませんが、国内製品を評価する際のベンチマークとして製品ページを見ておく価値があります。

    例:AbridgeDAX Copilot

※ 例示は状況に合う製品タイプの一例で、おすすめ順位ではありません。判定根拠は各製品ページで開示しています。

費用の目安

公開価格のある国内製品では、月額 12,000 円 (時間上限つき) 〜 48,000 円 (使い放題) のレンジに収まり、別途初期費用 50,000〜55,000 円前後の例が複数あります。月額 30,000 円〜の使い放題をうたう製品もあります。

一方、大手を含む相当数の製品は問い合わせ式で価格非公開です。非公開=高額とは限らないため、公開価格帯 (月 1〜5 万円) を相場の目安に見積もりを取り、利用時間上限・初期費用・最低利用期間まで含めた年額で比較してください。

導入の進め方

  1. 1.自院の電子カルテ (オンプレ/クラウド・製品名) を確認し、連携方式が合う候補を 2〜3 製品に絞ります。
  2. 2.無料トライアル・デモを申し込み、自分の外来で数日間、実際の診察会話で認識精度と修正の手間を実測します。
  3. 3.録音データの保存先・学習利用の有無・ガイドライン対応をベンダーに書面で確認します。
  4. 4.看護師・医療クラークなどスタッフを含めた運用フロー (録音開始の声かけ・患者への説明) を決めます。
  5. 5.最低利用期間・解約条件・複数医師利用の課金単位を確認して契約し、1〜2 か月後に時短効果を振り返ります。

規制・診療報酬の注意点

このカテゴリの製品は診断・治療の判断を行わない「業務ツール」扱いが中心で、医療機器としての承認は基本的に不要です。ただし生成された記録の最終確認とカルテ記載の責任は医師にあります。AI が生成した下書きをそのまま確定しない運用ルールを院内で明文化してください。

診療報酬上の評価は現時点でありませんが、令和 8 年度改定に向けて医師事務作業補助・生成 AI 活用の評価が中医協で議論されています。最新動向は当サイトの保険・制度アップデートで追跡しています。

よくある質問

Q. 医療機器の認証や承認は必要ですか?
カルテ作成支援は診断・治療への直接の介入を行わないため、医療機器プログラム (SaMD) には該当せず「業務ツール」として提供されるのが一般的です。ただし生成内容の最終確認責任は医師にあり、記載内容の正確性はツールではなく医師が担保します。
Q. 導入すると診療報酬の加算は取れますか?
2026 年 6 月時点で、AI 音声入力・カルテ作成ツールそのものに対する診療報酬上の評価はありません。令和 8 年度改定に向けた議論で医師事務作業の生成 AI 支援が取り上げられており、複数の国内製品が「加算検討対象」を見据えた展開をしています。
Q. 方言や専門用語はきちんと認識されますか?
認識精度は製品・診療科・患者層で大きく異なり、ベンダー公表値の多くは自社調査ベースです。第三者による検証が乏しい段階なので、無料トライアルで自院の実際の診察会話を使って実測するのが最も確実な確認方法です。
Q. 診察を録音することについて患者への説明は必要ですか?
診察会話は要配慮個人情報を含むため、録音と AI 処理について院内掲示や口頭での説明など、患者に分かる形で知らせる運用が推奨されます。データの保存先・保存期間・学習利用の有無をベンダーに確認したうえで、説明文面を準備しておくとトラブルを防げます。
Q. 海外製の Abridge や DAX Copilot は日本で使えますか?
いずれも日本未上陸で、日本語診察への正式対応・国内提供は確認できていません (2026 年 6 月時点)。ただし査読付き研究や大規模導入の公表が進んでおり、このカテゴリの効果検証がどこまで進みうるかを知るベンチマークとして参考になります。

最終確認日: 2026-06-13。本ガイドは公開情報と編集部の調査に基づき、掲載料は受け取っていません。

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エビデンス成熟度 × 市場定着度 マップ

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